鉄のフライパンと包丁、台所の小さな相棒たちの話
わたし、実は料理が得意じゃないんです。
結婚して、家族のごはんを作るようになって初めて、包丁を真面目に握りました。
最初はうまくいかないことばかり。
焦げたり、ベチャッとしたり、思った味にならなかったり。
でも、そんなわたしの台所に、ある日、心強い仲間ができたんです。
鉄の包丁と、鉄のフライパン。
少し重たいけれど、頼りになる。
ちゃんと手をかければ、応えてくれる。
その無骨な佇まいに、いつの間にか愛着が湧いてきました。
「鉄フライパン」で料理はもっと美味しくなる
じゅわっと香ばしい、鉄のチカラ
料理が苦手な人にこそ、おすすめしたい。
なぜなら、鉄フライパンは「焼けば美味しくなる」フライパンだから。
難しいテクニックがなくても、じゅうっと焼くだけで香ばしいひと皿に。
野菜も、肉も、ごはんも、
ただ焼くだけで、驚くほど美味しくなる。
高温で一気に焼き付けることで、素材のうまみをしっかり閉じ込めてくれるのが、鉄の力。
「自分の料理、けっこうイケるかも」と思える瞬間が、きっと訪れます。

わが家で活躍しているのは、
・リバーライト極JAPAN(28cm)…夫が中華料理を振る舞う時に。
・フライパンジュウ…わたしが普段使いに。取っ手が外れて、そのまま食卓へ出せるのが便利。オーブンにもIHにも対応している。
お気に入りのメニューは、「冷蔵庫一掃チャーハン」
【簡単レシピ:鉄フライパンのチャーハン】
材料(2人分)
- 冷やご飯…茶碗2杯分
- 卵…1個
- 野菜…冷蔵庫にあるもの何でも(人参・ピーマン・玉ねぎ)
- ごま油またはサラダ油…大さじ1
- 鶏がらスープの素…小さじ1
- 醤油…ひとまわし
- 塩・こしょう…少々
作り方
1.フライパンをよく熱し、油を入れる。
2.卵と野菜を炒め、ごはんを加えてよくほぐす。
3.鶏がらスープの素、塩こしょうで味付け。
4.最後に具材を端によせ、空いたスペースに醤油を入れて「焦がし醤油」に。
5.全体をしっかり炒めたら完成。

ポイントは焦がし醤油と鍋肌のおこげ。
ジュワッと香ばしい醤油の香りが立ちのぼり、おこげまでしっかり混ぜ込めば、それだけでごちそうになります。
鉄の道具のお手入れは、実はシンプル
難しそうで、実はかんたん。
鉄フライパンと鉄包丁の扱い方。
「鉄」と聞くと、扱いが難しそうに思うかもしれません。
でも、実際はとてもシンプル。
ポイントは、”水分を残さないこと”。
鉄フライパンの手入れ方法
・使用後はタワシでゴシゴシ洗い、洗剤は基本使わない。
・洗った後は火にかけて水分を飛ばす。
・たまに薄く油を塗ると錆びにくい。
鉄包丁の手入れ方法
・普通に洗って、タオルでしっかり拭く。
・ときどき研ぐと、切れ味が戻って気持ちいい。
鉄は、育てる道具です。
使うほどに馴染み、黒く艶を帯びて、
我が家の味に育っていくのがうれしいところ。
鉄の道具と暮らすということ
不便さの中にある、愛着と楽しさ。
もちろん、鉄フライパンにもデメリットはあります。
- ふわふわパンケーキは難しい
- ガレットやだし巻き卵には不向き
- 油をやや多めに使う必要がある
- お手入れを怠ると錆びてしまう

でも、カリッと焼けた目玉焼きや、香ばしいチャーハンが、毎日のご飯を支えてくれるなら、それで十分です。
台所に、ひとつだけ「育つ道具」を
鉄の道具は、使うほどに、持ち主の手に馴染んでいきます。
それは、たくさんの料理を重ねてきた証であり、家族の食卓の記憶そのもの。
美味しくなる音、じゅうっと焼ける匂い、
しっくり手に収まる重み。
それはいつしか、料理が苦手だったわたしを、
料理が「できるかも!」と思わせてくれる存在になっていました。
今日も、チャーハンを作ろう!
冷蔵庫の中身で、鉄フライパンと、ちょっとしたご馳走。
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